shamrock 1 7月12日〜13日
  



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2000年 7月12日

行程 : 成田→アムステルダム→ダブリン

 7月12日から22日までの間に、アイルランドに泊まるのはわずか9日。しかも夜着朝発だから、実質的には丸8日間の旅と言える。機内往復35時間の割に合わないくらい短い行程だなあ、と思いつつ、いつものように飛行機に乗り込んだ。これからアムステルダムまでのロングフライトになる。
 飛行機の中では、いつそうしているように、これからの行程を計画したり、アイルランドにまつわる本を読んだり、寝付かれずに退屈を持て余したりしていた。飛行機恐怖症も旅行回数と共に薄らいできた。
 今回使用したのはKLMオランダ航空。たまたまヴァージンやBAより安かったからだった。アムステルダムを経由してアイルランド行きの飛行機に乗り換えると、それまでうるさかった日本人団体旅行客の声が極端に少なくなる。アイルランドは単身旅行者が多いのだろうか?
 などと考えつつあっという間にダブリン空港に到着。その日は予約してあったホテルに直行した。シーズン真っ直中だったためイニシュモア島のB&Bと初日のダブリンのホテルだけは予約しておいたのだったが、結果的には正解だったようだ。ちなみにホテルに関しては、朝食にちゃんと"フル・ブレックファスト*"が出たということ以外全く覚えていない。
 ともかく、その日は乗り物疲れの中、あっという間に眠りについた。
* フル・ブレックファストを朝に食べるアイルランド人はたぶんいないと思うけど、アイリッシュの朝食というと何故か皆ボリュームたっぷりの"あの"朝食を思い浮かぶ。実際僕も大好きだ。フレッシュジュースとシリアルから始まり、目玉焼き・トマト・マッシュルーム・太めのベーコン・ソーセージ・時にブラックプディングを大皿ごとオーブンで温めたような料理に、薄焼きのトーストとミルクティーが添えられるこれを食べると、その日がどんなにハードな行程でも乗り切れそうな気がするのだ。っていうかハードに動かないとお腹が減らない。

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2000年 7月13日

行程 : グレンダロホ&ウィックロー地方 バスツアー


ダブリン - リフィ河 
 旅の始まりはバス・エーランのバスツアーに参加することにした。バスの予約をしにバスセンターまで行く道すがら、オコンネル像を見上げたり、オコンネルブリッジの欄干からリフィ河をしばし眺めたりしていた。要するに、結構暇していた。
 ダブリンの由来は「黒い河」、このリフィ河のことだそうな。確かに結構黒い。水が流れを失い、ダブリン市民の栄枯盛衰の歴史を何百年も同じ場所で眺めながら淀み続けたからだろうか。

オコンネル像
 なあんて思いを抱くこともなく早々にバスの予約をして、時間になったのでほげほげとバスに乗り込んだ。バスの運転手兼ガイドさんが、マイクを通じて早口の英語で自己紹介を始めた。あらら全くわからん、困ったな。そんな思いから今日の旅は始まった。
 バスは港町ダン・レアリーからU2-ボノの別荘を抜け、アヴォカ (Avoca Handweavers) という織物会社のショールームヘ。どうやら観光バスとタイアップしていると思われる。でもそこでは昼食だけ取ってすぐに目当てのグレンダロホへ。この集落にはアイルランドが好きになった当初から行きたかったのだった。
 アイルランドが紹介されている本の多くにこの聖地が載っている。写真の中の塔や湖を見るたび、グレンダロホへの旅を思い描いていた。果たしてその地に降り立つと、その風景、佇まいは、思い描いていたとおり瞑想的で耽美的な世界だった。

ハイクロス

The Round Tower と観光客
 まさにそこは、秘境の中にある静かなる聖地であった。聖ケビンと彼についていった修道院たちは、この何もない土地でどのように冬を迎えたんだろうか。何故かアリとキリギリスのおとぎ話を思い出しつつ集落を歩く。観光客が集まる円塔や教会を離れ、小道をしばし歩いてみることにした。
St. Kevin's Church

Upper lake
 空気の新鮮さを感じながら15分ほど歩くと Upper lake に着く。森上方からの湖の眺めはとっても気持ちいい。
 湖畔におりると観光客も結構いた。湖お決まりの、水にはしゃぐ子供もいた。でもその風景を壊すこともなく、寛容な湖は観光客を受け入れていた。問題なのは、あんまりゆっくりのんびり風景に浸ってたらバスの時間に間に合わないということだけだった。
 バスに着くと観光客は皆乗り込んでいた。墓や森や湖にそんなに浸る必要はないらしい。
 さて、グレンダロホを離れた一行はウィックローの美しい山間を通って帰ることになるわけだが、この辺からは記憶が曖昧である。それだけグレンダロホの印象が強かったんだろう。ただ、運転手兼ガイドの時折発する冗談が最後まで聞き取れなかったのと、旅の後半はガイドをやめて音楽を流すという結構(ガイドにとって)楽ちんツアーだったのは覚えている。
 でも結構安い値段で1日つぶれるので、かなり気に入った。

ウィックロー山地と子供
 ちなみにこの日の夜はパブに行ったらしいんだが、あんまり記憶がない。確か、「地○の○き方」にも載っている有名なパブに生演奏を聴きに行って、生演奏は聴けたんだけどギネスがまずくて憤慨して帰って来た気がする。
 観光客だってギネスが生かそうじゃないかくらい区別がつくって。だからダブリンはあまり好きになれない。
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