shamrock 2 祭りの後 <8月30-31日>



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2004年 8月30日

行程 : クロンメル→ダブリン(→ブレイ)

 フラーのお祭りも終わり、いよいよダブリンに戻ることとなった。午前11時頃、停留所で前夜一緒に踊った2人のご老人に出会い、何でもない世間話をしながらバスを待った。バスツアーやダンスを通じ、今回は今まで以上に色んな出会いを経験することができた。さすがに大量の旅行客がダブリン方向に戻るとあってか、フラー客専用のダブリン直行バスが用意されていたため、快適な帰路となった。バスの中で少しずつ、お祭りの余韻を捨て去っていった。

Dublinは祭りでもないのにこの人混み
 30日は日は26日と同様、"O'Shea's Hotel"を予約していたが、ダブリン直行バスはなんとホテルの目の前に着いた。これによりますますO'Shea's Hotelが好きになった。1泊50ユーロとダブリン中心では格安だしオコンネル通りにもバスセンターにもコノリー駅にも近いし、パブでは週に一回フラーをやっているし、なかなか非の付け所がないホテルである。敢えて言えば預けた荷物を引き取るのにすったもんだがあって30分以上かかったことくらいか。

 最後の日なので、お土産を求めダブリン市内をぐるっと回る。そういえば今回は全然行っていなかったグラフトン通りにも顔を出してみたが、相変わらずの混み具合の割には行きたい場所も見あたらず、すぐに引き返した。
 ダブリンは相変わらず様々な人種でごった返し、その誰もが信号を無視していた。ボタンを押してもなかなか青にならずに、なったと思ったらすぐに点滅する(お年寄りは絶対渡りきれない)信号機の方にも問題があるが、それにしても誰も守らない。市内バスもいつ来るか判らないし、来てもちゃんと乗せていってくれるのかもよく判らない。車も街中だろうが何だろうが凄いスピードで駆け抜けるため、交通事故も年々増えていると聞く。近代化の過程を色々飛ばして巨大都市になってしまったような、そんな面白さと怖さがある街だ。しばしそんなダブリンを堪能し、ホテルに戻った。

 最後の夜はウィックロー県のブレイ(Bray)という町に行く予定。行く、と言っても、駅まで電車で行って、降りたらすぐ近くのパブに行くだけだが。

ダブリナーズは信号(赤)を守るということをしない

グラフトン通りで歌う少年
 ダブリンのコノリー駅から電車に乗る。よく考えるとこの駅から電車に乗ったのは初めてだ。コノリー駅から乗った電車は古びていて、中も割と空いていた。
そういえばなんちゃらという路面電車も市内にできていたが、ちらっと見たらもの凄く空いていて、試験運転中かと思った*

コノリー駅はどことなく暗い雰囲気
 ブレイ駅を降り、ちょっと迷いつつも無事お目当てのパブ"Gallagher' s"を見つけたのは9時半前。ギネスを頼んで3、4口飲んだあたりで、ダンスをやりに来たと思われる方々がぞろぞろ集まってきた。少し遅れ、約束していたJimさんも登場した。

 そこからの2時間ちょっとは、一回現実(日本)に戻りかけていた自分の気持ちをアイルランドに再度集中させるに十分な楽しさだった。きちんとしたダンススペースのあるパブで、30人以上のダンサーが集まるケーリーもまた、日本では経験したことのない経験だった。ここでもミュージシャンのリードも素晴らしかったし、踊っているみんなもダンスのルールやお互いのことを理解し合っており、新参者にも優しかった。Jimさんはダンスを教えることこそせず、僕に色々なパートナーをあてがってくれていた。そのうち地元のおばさまから「私と踊りましょう」と引っ張られたりもして、何か妙に楽しかった。あっと言う間に2時間半が過ぎ、今度こそ現実に戻る時が来た。

Brayでダンスが行われたパブ、Gallagher

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2004年 8月31日


行程 : ダブリン→成田
 Jimさんと別れ、部屋に戻り、ボーっとする間もなく寝ると、もう日本に帰る時間になっていた。何事もなかったかのようにオコンネル通りから空港行きのバスに乗り、空港では並びもせずチェックインを済ませ、あいている時間で税金の返金処理をして、エアターミナルへ。つとめて冷静に、淡々と処理を済ます。
 やがて搭乗時間が来て、飛行機に乗り込む。エアリンガスは空いている限り窓側を確保してくれる。いつもながら行きは飛行機恐怖症だが帰りは飛行機に慣れているため、これまた例年の儀式のように、窓から外を眺めながら最後のアイルランドの風景を焼き付けていた。何だかんだ悪態をついたが、それでもアイルランドにはまた何度でも遊びにきたい、そんなことを考えながら名残を惜しんでいた(住みたい、と思うかどうかはちょっと別だが)。

 閑話。KLM国際空港から成田に向かう便で、アテネ五輪帰りの赤いはっぴで有名なオリンピックおじさんと同じ飛行機になった。帰りの飛行機でも赤いはっぴだったので一発で判ったのだが、そんな時でも別に興味を見せる素振りを取らない日本人は素敵である。はっぴおじさんも、さすがにまだ残暑残る成田は暑そうだった。
(ああ、全部の話の終わりをオリンピックおじさんで締めちゃった)。

アイルランド島を去る飛行機
* ていうかたぶん本当に試験運転中だと思います。LUASというらしいです。僕が見たのはたぶんLUASのRed Lineですので、コノリー駅から東西に走る感じでしょうか。詳しくはLUASのHPまで。
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