フラー・キョールU− イベント&ケーリー <8月28-29日>
行程 : クロンメル(町イベントおよびダンスケーリーの巻)
フラー・キョールその2は、コンサート・ギグ以外のイベントとダンスケーリー編です。
28日。町は出店で盛り上がっているフラーの魅力はコンペのみにあらず、Pubの中のみにもあらず、町全体を包んでいる祭りの雰囲気にある。前項で町の至る所にいるミュージシャンがフラー全体を盛り上げているみたいなことを書いたけど、ミュージシャンだけではなく、このフラーに乗じて道で出店を出している商店や、フェースペインター・ジャグラーらのパフォーマー、お祭り定番のマーチングバンド、夜の町に映える打ち上げ花火といった各種仕掛けが全体となってお祭りを形作っていた。
また、こういうお祭りに欠かせないのがまさにお祭り気分で盛り上がっている酔っぱらいの存在である。彼らは時に迷惑だが、しかしいないとお祭りの楽しさは半減してしまうという不思議な存在だ。僕もフラーを通し数人の酔っぱらいに話しかけられたが、そう悪い気分にはならなかった。
目抜き通りは土日を通してずっと混んでいた
28日。花火が打ち上げられた
29日、フェースペインターは稼ぎ時
町の「マーケット・スクエア」というところでは、28、29日通じてオープンエアーダンスケーリーというイベントが行われていた。要するにちょっと広いスペースでみんなで踊ったり踊りを見たりして楽しみましょう、という趣向のイベントで、去年は未開催だったが今年は復活したものらしい。*
3時間ものイベントを、司会者がはきはきと、明るく進行していく。ダンスの種類はケーリーあり、セットダンスあり、子供達やおっさん達のソロダンスパフォーマンスありで、なかなか凝った内容だった。ただ立ちっぱなしになるので、なかなか見続けるのはきついかも知れない。だからだろうか、近くの喫茶店は始終混んでいた。
28日、昼間から踊る人達
29日、雨の中でのオープンエアーケーリー
雨は一瞬で、この後からっと晴れた
29日の夕方にはマーチングバンドが町を行進していた。いよいよ長かったお祭り**が終わりに近づいてきたことを知らせる行進でもあった。
マーチはお祭りの定番
いろんなバンドが行進していく
28日。セットダンスケーリーの途中に
ワルツタイムがあるフラーに行きたかった理由の90%は、夜のダンスケーリーに出たかったからである。本場のケーリーを見に行くためにこの日程を選んだと言ってもいい。27日(金)のケーリー参加でその目的のほとんどは達成したのだが、こうなると欲が出てくる。28日も29日も、前の日よりももっと楽しみたい、そういう思いでケーリーに参加した。
28日も29日も結局セットダンスケーリーに参加したため、結果的にセットダンス以外のケーリーの雰囲気は昼間のオープンエアーケーリーでしか判らずじまいだったが、少なくともセットダンスケーリーは十分に堪能することができた。
セットダンスケーリー自体の感想は8月27日の方にも載せているので重複は避けたいが、とにかく特設ドームの中は毎日がダンスの熱気で暑かった。最初は人も少ないのだが、12時過ぎには400人(50セット)くらいいるんじゃないかと思った。
28日、29日は前日と違って、100%ベテランというわけではなく僕同様「何となく知ってる」レベルの人もおり、そういう人に対してはたいてい1セットに3人くらいいるベテランレベルが親切に教えてくれていた。こういう場を通じて、社交は広がっていった。
あと難しいのはダンスが始まる際の相手探しである。どんなに踊りたいセットでも相手になってくれる人がいないと踊れないため、たまにあぶれてしまうこともあった。自分から座っている女性にダンスを誘いに行く勇気はまだ持ち合わせておらず、この辺は踊れる自信がついてからじゃないと、という思いもあり、なかなか難しい。
28日。50セットくらいできていた
29日。Matt Cunningham氏のリードで
ケーリーはテンポよく進むケーリーに欠かせないのがミュージシャンであるが、28日は"Fodhla Ceili Band"、29日は有名な"Matt Cunningham"さんのバンドがリードし、次々とダンスが繰り広げられた。このテンポの良さやリードのうまさによってもケーリーの雰囲気に差が出てくるようである。Matt Cunninghamさんの演奏はやっぱり深みがあって素晴らしかった。
ケーリーの最後はアイルランド国歌で締める。これを聞くときはみなぴしっと立ち、神妙な趣になる。フラーキョールを含め、ケーリーに5日連続で出た僕は、在愛中のべ6回もアイルランド国歌を聞くこととなった(1回はアイルランドの乗馬選手が金メダルを取ったニュースで聞いた)。**
と、いうことで、町のお祭り気分を味わい、音楽を聴き、そして踊り続けた3日間も終わりを告げた。翌日にはダブリンに戻り、その次の日にはもう日本に帰らないといけない。お祭りは、一時的に日常を忘れてわっと盛り上がり、そして次の週には何事もなかったかのように日常に戻るからこそお祭りとして成り立っているのだろう。29日、最後のアイルランド国歌を聞きながら、もうすぐ戻る日常に向けて僕も神妙な趣になっていた。
* もうひとつ、今年のフラー・キョールでは同時ダンス人数のギネスに挑戦というイベントが行われると聞いていた。が、どこでやるという情報もなく、結局詳細が判らぬまま終わってしまった。どうもやらなかったような気がする。
** 蛇足だが、着メロでアイルランド国歌を入手し、朝の目覚ましに使っているため曲自体への馴染みはある。本当は目覚ましにはアイリッシュダンス音楽とかを使いたいのだが、どの着メロサイトを探しても見つからない(U2とエンヤはあるけど・・・)。誰か良いのがあったら教えてください。
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途中退場